幼児期の英語学習はおうちでスタート!

幼児の英語教育で大切なのは「英語は楽しい」と感じることです。おうちで安心して、遊びを通して英語を学んでいける方法をご紹介します。

7 幼児期の英語学習のメリットとデメリット、問題点を考える

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幼児の英語教育が関心を集めていますが、

問題点も指摘されています。

英語を習得する必要性、幼児にもたらす影響、

諸外国での英語学習の現状などから幼児英語学習を考えてみます。

 

 

幼児英語教育に拍車がかかっている要因

・2020年からの小学校3,4年生の外国語活動

及び5,6年生の英語教科の導入

・言語の習得には学習に最も適した時期臨界期※があり、

英語学習が遅くなると第2言語としての英語の習得は

難しくなると考えられている。

特に日本語と英語の周波数は大きく違い、

この英語の周波数帯を聞き取れる能力を持った耳を

「英語耳」と読んでいるが、

英語耳も10歳〜11歳頃(臨界期)までに

完成されると考えられている。

※臨界期:脳科学辞典によると、

神経回路網の可塑性が一過的に高まる生後の限られた時期であり、

生涯にわたる学習とは一線を画する。

脳の神経回路は、生後の体験・経験により成長する。

特に、視覚や聴覚などの感覚の機能や、

母国語の習得に関わる神経回路は、

臨界期の経験によって集中的に形成されると考えられている。

 

 

幼児英語教育は必要か

 今までは、英語を必要とする環境が少なかった

以前の日本は外国というものに接する機会が少なく、

特別な職業以外日本の狭い世界で生活していて、
・周りに外国人がすくない。
・英語が出来なくても、差し障りなく生活でき、収入を得ることができる。
・英語が出来なくても日本語に訳された情報を得ることが出来る。
このような状況で、英語を必要とする環境が少なかったのです。

しかし、これからは英語が話せて当たり前になっていきます。

グローバルな視野が求められ、

タイムラグ無く英語圏からの情報取得が必要になってくるためです。

 

日本人の英語力はかなり低い

英語学習を意識している人が多いにも関わらず、

先進国の中での日本人の英語力はかなり低い結果が出ています。

日本語は150~1,500Hz、

英語は2,000~12,000Hzの周波数帯を主に使い、

日本人にとって英語の聞き取りが困難な事も要因です。

また日本語と英語とは「文法」「単語」「発音」「文字」

全てが言語として大きく異なります。

英語は日本語の敬語にあたるものが日常使われず、

感情や意志表現をストレートに伝えるといったところも違います。

こういったところが、日本人の英語力の低さに影響しているとみられます。

 

海外での幼児期の英語教育の状況

海外での幼児期の英語学習はどのような状況かというと、

英語力トップに入る北欧の国などは

日本と英語学習量は同程度でも、

早期英語教育や英語教育の質にとても力を入れています。

また、フィリピンとの幼児期英語教育の比較では、
英語学習開始時期は、フィリピンでは、

2,3歳児より保育所や幼稚園で始まりますが、

日本では小学生からです。
小学校での英語の授業数は、

フィリピンでは毎日1回・60分程度、

日本では5年生より週に1回・45分程度になる予定です。

比べものにならない英語の量(時間)です。

 

 

 

幼児期の英語学習の問題点

幼児期の英語学習には、賛否両論があり、

具体的に次のような問題点や心配が聞かれます。
・お金がかかる
・大人になったらすっかり忘れてしまう
・日本語に支障が出る場合も考えられる
・英語アレルギーになってしまう心配
・他の可能性を見逃す場合がある

一つずつ見ていきたいと思います。

 

・お金がかかる

幼児期のスタートは英語の歌を聞いたり、

英語の動画を見たりすることから始めていきます。

わざわざ高い教材を買ったり、

高額な授業料のスクールに通う必要はありません。

ご家庭で、安心して、楽しく英語にふれて、

英語が好きになることが第一歩です。

 

・大人になったらすっかり忘れてしまう

英語は継続が必要です。

幼児期に英語学習をしても、英語と離れている時間が

長いと忘れてしまいます。

反対に続けていれば英語力は付いていきます。

特に幼児期は、毎日家庭での楽しい英語との

触れ合いの時間を持ちたいところです。

 

・日本語に弊害が出るのでは

日本語も英語もダブルリミテッド

(2つの言語どちらも年齢相応の言語能力がついていない状態)に

なってしまわないか?との心配の声も聞きます。 

幼児期は母国語が未発達です。

その時期に英語を身につけさせることよりも、

まず母国語の語彙や表現力を身につけることが大切と考えられます。

一般的に、第二言語は母国語以上に発達することはありませんが、

母国語が定まらないまま成長しないように注意する必要があります。

2つの言語が共に未熟だと、

せっかく2か国語でコミュニケーションが取れても、

論理的思考力が未発達のままとなる可能性があります。

無計画にただ単に英語学習の時間を増やしたり、

日本語学習を疎かにすることのないよう注意が必要です。

幼児期は、家庭での生活の中心となるのは日本語です。

幼児英語教育は、熱心すぎる周りに流されたり、

力を入れすぎないことが大切です

 

 ・英語アレルギーになってしまわないか

幼児期の英語教育は、親の意向が大きく関係します。

親が子どもに無理強いしたり、知らず知らずのうちに

子供にプレッシャーを与えていることもあります。

子どもの表情や言動など観察し、

過剰に結果を求めないように注意する必要があります。

本人が「英語が好き、必要だ」と感じれば、

必ず自発的に学習する意欲が沸きます。

幼児期の英語学習は、あくまで楽しい時間と

子どもが感じていることが大切です。

 

・他の可能性を見逃す場合がないか

幼児期における教育は、

バランス感覚と時間の規制が大切です。

基本的な生活習慣、しつけを身につけさせるなど、

家庭における幼児教育を適当にして、

英語、音楽、受験学習などに重点を置いた幼児教育は、

やはり問題があります。

また、そういった学習に多くの時間をとられ、

色々な経験が必要な幼児期に

思う存分遊ぶ時間もなくなってしまうことは、

子どもにとって心や身体の発達に悪影響を与える心配もあります。

子どもの「自発的な好奇心」や

「日々の生活に楽しさや喜びを見出す力」を

奪うことにならないよう注意が必要です。

これを避けるために、幼児教育のバランス、

時間の規制を考えていきます。

 

 

 そのうえで

幼児期の英語学習は、生活の中に自然と取り入れていくことや

遊びとしての英語がよいと考えます。

 

夕食後のひとときに英語の絵本を読み聞かせる、

子どもが気に入った話であれば

何度でも読んで聞かせるなど、

親子の楽しいコミュニケーーションの時間になります。

英語の歌が流れ、体を動かして

リズムを取り楽しんでいる幼児に弊害を感じますか?

 

子どもの発達、英語への関心や気持ちを配慮しながら、

英語教室などを考えていきましょう。

成長とともに「動機づけ」「適切な環境」

「適切な方法」がそろっていけば、バイリンガルとして育っていきます。

 

また日本語と英語、それぞれの考え方や生活を理解し、

両方の良い部分を自分の意識や行動に取り入れていくことは、

自分らしいアイデンティティが育つことにつながります。

日本との違いを強く感じ、逆に日本人としてのアイデンティティ

強く持つきっかけとなることもあります。

 

 

早期英語教育のメリット

大人になってから本格的に英語を習得しようとした場合、

幼児期に作った英語脳があると、

その後の習熟度に差が出てきます。

また、幼少期のポジティブな英語教育の経験は、

苦手意識を取り除き、その後の学習がスムーズに進みます。

 

しかし英語での会話が上達し、

ネイティブレベルで話せるようになるのは、

本人が英語を本当に話したい、本当に必要だと感じて、

意欲を高めて勉強した時です。

その時に、幼いころからの英語の経験が役に立つのです。

大きくメリットを挙げてみます。

 

・大人になってからの英語への抵抗感がなく、

日本人に多い英語の発音を恥ずかしがることも少ない。

その為、実際に話して活用し、実践的な英語を学んでいける。

 

・英語の耳と発音が出来、一般に日本人が不得意とする

LとR、CとK等の発音の区別や聞き分けが自然にできるようになる。

 

・受験勉強や資格試験の為の「義務」や「努力」としてではなく、

遊びの中で楽しみながら自主的に英語を習得することできる。

 

・難しいという概念がないことは、英語上達への好条件です。

 

・幼児期は、「まねる力」が備わっていいます。

 

・外国人そのものに慣れていきます。

 

 

 幼児期には、 ゆるい目標を設定


この時期に、英語だけでなく、様々な事を経験して、

刺激や興味を与えることは、将来の種まきになります。

英語教育もそのうちの1つと考えます。

 

子どもが本当に面白い!と思える事を増やしてあげること、

「適切な時期」に「適切な方法」で「適切な刺激」を与える時期です。

 

 

英語学習は継続して、自分から、良い学習環境で

幼児期から始めた英語学習は、

その後学校教育の中、小学・中学・高校・大学と進み、

最終的には社会人として適切な英語力が求められます。

 

必要とされるレベルの英語が使えるためには、

幼児期にネイティブの発音感覚を得ることができれば有利ですが、

幼児期を過ぎた学校教育や自主的な英語学習の中で、

「継続して、自分から、良い学習環境で」

なども大きく関わってきます。

幼児期の英語教育が、

将来的な英語力を必ず保証できるものではありません。

 

幼児期にあまり英語に触れられなかったとしても、

ダメということはありません。

大人になってから英語を一生懸命学んで、

英語で活躍している日本人もいます。

 

 

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